本研究では10 Kという温度で動作する超伝導エレクトロニクスの基盤技術の確立を目指して、超伝導材料として窒化ニオブ(NbN)を用いたジョセフソン接合に基づく単一磁束量子回路の開発を行った。そのためにまずは作製プロセスの開発と設計環境の構築を行った。設計環境はこれまでのNbを用いたジョセフソン接合の設計環境をNbNベースのジョセフソン接合のパラメータに変更することで数値計算、回路レイアウト作成まで出来る環境を構築した。次に作製プロセスについて、NbNの多層構造において絶縁が不十分であることによる層間でのショートが多発し、評価まで至らなかった。現在ではその原因を特定しており、再度作製を進めている。
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