振動特性に基づく異常検知の試みは既往の研究において数多くなされてきたが,特性を推定しそれらを比較する過程で技術者の経験が求められ,その手順は十分に一般化されてこなかった.このため,異常検知の可否は構造同定や統計の手法に依存する結果となり,これまで実務での振動モニタリングの利用は限定的であった. 本研究の成果により異常検知の手順を一般化することで,主観的な判断に基づく誤検出および見落としを避けやすくなると期待される.また,自動化により多数の橋梁についてスクリーニングを実施することが可能となる.以上より異常検知技術の社会実装において意義のある研究成果が得られたと考えられる.
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