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2021 年度 実施状況報告書

原水と凝集剤特性が凝集後残存する微小粒子の構成成分・物理化学特性に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 19K15127
研究機関中央大学

研究代表者

丁 青  中央大学, 理工学部, 助教 (70837476)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード膜ファウリング / メソ粒子 / ゼータ電位
研究実績の概要

浄水処理で多用される凝集処理では、凝集後に残存する微小コロイド粒子(20 ~ 500 nm;メソ粒子と定義)の制御が課題となっている。今年度は、凝集剤由来の「メソ粒子画分」を分離し、凝集剤の特性が凝集後に残存するメソ粒子の物理化学特性に及ぼす影響を検討した。
pHとアルカリ度を調整した人工原水を用いて、3種の市販ポリ塩化アルミニウム(塩基度 50%、54.5%、70%;以後PACl-50、PACl-54.5、PACl-70)およびアルミニウムクロロハイドレート(ACH)でジャーテストを行い、凝集剤由来のメソ粒子を分離・特性評価をした。凝集pH5およびpH6では、使用した凝集剤に関わらずメソ粒子は正電荷を示した。凝集pH6以下であれば凝集剤添加量を増加させることで凝集対象原水に存在する負電荷のメソ粒子を荷電中和できると考える。一方、凝集pH7ではACHを除き、塩基度に関わらずPAClは負電荷のメソ粒子を生成することが分かった。そのため、負電荷のメソ粒子を生成する凝集剤を使用した場合は、pH7においてメソ粒子の荷電中和が困難となることが示唆された。また、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析(SEM-EDX)結果により、凝集pH7ではゼータ電位の全く異なるPAClとACHから生成したメソ粒子中の無機成分はどちらもAl以外のピークは確認されなかった。以上の結果より、凝集剤由来のメソ粒子の構成元素はAlであると推測される。ただし、pH7において、PACl由来のメソ粒子が負電荷を帯びる原因のさらなる検討する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画において、4種類の凝集剤由来のメソ粒子画分の分離・回収、及び特性評価ができたため、概ね順調に研究が進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、pH7においてメソ粒子の荷電中和ができる凝集剤の特性を検討する予定である。
また、これまでに得られた知見についてまとめて、学術誌にも発表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初購入を予定していた試薬やメソ粒子を分離用の消耗品の購入費が少なく済んだ。

凝集剤特性分析を行う予定である。必要な消耗品(試薬・ガラス器具)の購入に支出予定である。また、現在準備中の英語論文の英文校正費に支出予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 凝集ー砂ろ過における残留微粒子数と残留Alの低減2022

    • 著者名/発表者名
      丁青
    • 学会等名
      第56回日本水環境学会年会
  • [学会発表] フロック特性による凝集ー膜ろ過の制御2021

    • 著者名/発表者名
      丁青
    • 学会等名
      第37回ニューメンブレンテクノロジーシンポジウム
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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