浄水処理で多用される凝集技術では、凝集後に残存する微小なメソ粒子(20-500 nm)の制御が課題となっている。メソ粒子が荷電中和される凝集条件は後段の膜ろ過や砂ろ過の負荷を軽減できるが、国内の市販凝集剤ポリ塩化アルミニウムは、浄水場で用いられている中性pHにおいてはメソ粒子を荷電中和できない。 本研究で検討した結果、凝集剤の添加量よってメソ粒子の構成が異なることが分かった。中性pHにおいてメソ粒子が荷電中和できない原因は、原水または凝集剤由来のメソ粒子はどちらも負に帯電するためであることが明らかになった。今後は、メソ粒子を荷電中和できる中性pHにおいても正に帯電する凝集剤の開発が必要となる。
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