本研究は、木造建物の耐力壁として一般的な筋かいと構造用合板を併用した壁の復元力特性について検証し、これを再現できる復元力特性モデルを開発することを主な目的としており、そのために、併用壁の静的加力実験を行った。具体的には、一方向への引き切りと、任意の負側変形を与えた後正側に引き切った試験体の性能を比較し、片側の変形が逆側の性能に与えた影響を検証した。その結果、1/30radを超えると、片側の変形により構造用合板が損傷し、筋かいの座屈拘束が緩くなり逆側の性能に影響が生じること、1/20radを超えると構造用合板の性能が明確に低下することを明らかにした。
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