研究課題
若手研究
本研究ではPEDOT/s-CNFを熱線吸収材として、遮熱ガラスの中間層に用いた。pHを変えてEDOTの重合を行い、pHが低い程、導電性が向上することを確認した。PEDOT/s-CNF薄膜は、UV-vis領域(380-700 nm)では吸収率は変わらなかったが、NIR領域(700-2000 nm)では導電性の向上に伴い吸収率が増加した。PEDOT/s-CNFの遮熱ガラスを用いて、擬似太陽光照射を行なったところ、PEDOT/s-CNFは温度上昇を抑制して、優れた断熱効果を有することを確認した。
高分子材料
既存の遮熱ガラスはレアメタルが使われているが、本研究の遮熱ガラスはレアメタルを使わずに、天然由来のセルロースナノファイバーを原料として開発された。開発した遮熱材は高透明性かつ高熱線吸収性を併せもっており、これら特性を活かして遮熱ガラスを作製することができた。擬似太陽光による照射試験では、PEDOT/s-CNF遮熱ガラスによる温度抑制効果も確認され、今後はZEH住宅等への導入も期待されることから、社会的意義は大きい。