本研究では、温暖地域の居住文化の継承・発展に寄与する環境配慮住宅として、入れ子型中間領域の有効な計画手法を明らかにすることを目的とし、中間領域を有する複数の住宅事例において調査及び実測を行った。 中間領域には、外部空間と内部空間の中間と、公的空間と私的空間との中間という2つの性質がある。外部と内部の中間領域については、外部空間との距離感が重要であり、外部空間との距離感を住まい手が自在に調整できる計画が有効であると明らかにした。一方、公的と私的の中間領域については、仕事や応接空間として中間領域が機能しており、土間によって履物の選択性を高める計画も有効であると明らかにした。
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