研究課題/領域番号 |
19K15187
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
劉 一辰 明海大学, 不動産学部, 講師 (90782342)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 新市街計画 |
研究実績の概要 |
現在、研究計画の変更を行い、天津、大連、瀋陽、哈爾濱のアーカイブスに史料請求を行なっている。史料の発掘はある程度の目処は立っており、入手でき次第分析を行うことで、論文の執筆が行える状態である。具体的には、中国の1945年以後の建築・都市計画の状況を紐解く計画(新市街計画)に関わる史料を入手できることがわかった。これまでは、1945年から1949年までは内戦によって都市開発は停滞していたと言われている。 実際、現地に行って、史料の発掘を行うことがベストであるが、コロナ禍及びウクライナ戦争によって、海外への渡航、そしてロシアへの渡航が実現できない状況下では、先方への調査依頼を行うほかない状況である。 また、外国人建築技術者のリストを整理する際、建築設計会社の立地に関するする以下の命題に関する確信の持てる解を発見した。租界等については、上海のBundに代表されるように、多くの租界では河川に面して洋行が建ち並び、現在でもBund沿いを中心とした歴史的景観が形成されている。しかし、天津では、Victoria Road(沿いに洋行等近代的な建造物が建ち並び、今日に至っても異国情緒の溢れる街並が形成されている。天津に関しては、租界地区を流れる海河の水流状態が悪化したことに影響され、内陸の道路を正面として近代建築が建てられたと思われ、また建て替えのきっかけを作ったのは義和団の乱であると考えられる。このことについては、今後インパクターファクター付きの国際学術雑誌への投稿を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①コロナ禍による海外史料調査及び現地の実測調査が全て中止を余儀なくされた。 ②その後、2022年2月に始まったロシアとウクライナ戦争によってInternational Planning History Society (IPHS) conferenceが中止になり、モスクワとサンクトペテルブルクでの史料調査も中止になった。 上記の2点により、研究計画と方法そのものの変更を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
ロシアと中国の公文書館からの史料入手を行う。現地には行けないが、インターネットを通じて、入手できる史料もあるので、それを元に研究を行う。中国の天津のロシア租界に関する史料は一部天津市档案館にあることを特定している。これらを駆使すれば、新市街地開発の際の設計者を辿ることは可能である。最終的には、第二次世界大戦後の復興活動の詳細と設計担当者の履歴を明らかにし、学術論文への投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度も、コロナ感染症により、海外調査、国際学会が中止になり、経費の計上が少なくなっている。また、2022年2月から始まったウクライナとロシアの戦争により、研究計画の大幅の修正が必須となり、具体的な支出は2022年度に行うものとする。
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