本研究では、磁気遮蔽にとって理想的な超電導バルク体による遮蔽電流分布から着想を得た無絶縁型多層超電導シールド・磁気クロークを提案し、磁気遮蔽率向上を達成した。従来の絶縁型超電導シールドに対して層間絶縁を採用しないことで層間にも電流パスが生じ、遮蔽電流が分布する。実際に絶縁型と無絶縁型の超電導シールドの遮蔽特性を実験的に比較し、無絶縁型は絶縁型と比較して遮蔽率が非常に高くなることを実証した。また、多層化した無絶縁型超電導シールドを制作し、シールド中心部において99.9 %以上の遮蔽率が達成可能であることを実証した。
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