高度経済成長期に建設された道路や建物などの建造物の多くは,老朽化が進んでおり,突然の崩壊崩落といった重大事故のリスクを抱えている。例えば,国内には約72万基の橋梁が存在し,2030年にはその半数以上が建設から50年以上を経過する。これに対し国土交通省は全ての橋梁について5年毎の定期点検を義務付けている。定期点検は近接目視点検を基本とし必要に応じて打音検査が行われる。打音の聞き分けには熟練を要するが,熟練の検査員を十分に確保することは容易ではない。この問題に対し本研究では打音検査において熟練の検査員に頼ることなく高精度な異常検出を実現しようとするものである。
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