本研究では次世代半導体材料として期待される原子一層の物質であるグラフェンの光物性を解明することを目的とした。具体的にはHex-Au(001)構造と呼ばれる特異な構造上に形成したグラフェン中で、光物性に大きな影響がある電子バンド構造を観察したところ、グラフェンの電子が基板のAuから大きく影響を受けていることが明らかになった。さらにグラフェンの光物性の一つである熱放射においてもHex-Au(001)構造上では大きな変調が観察された。これらの現象は既存の報告のモデルでは説明ができないこと及びグラフェンとAuが混成軌道を形成したと考えることで説明できることを明らかにした。
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