ダイヤモンド中のNV中心は室温・大気中で単一スピンを検出できる程の高い磁場感度と空間分解能を有し、さらには、温度、電場も計測可能であり、幅広い分野で研究が広がっている。このように、室温・大気中・さらには液中で計測が可能なことは特筆すべき利点である。一方で、このような環境下では不純物や複雑な環境によるノイズが大きいことも事実であり、核心をなす信号、物理原理、構造などを様々なノイズが存在する環境からどうやって効率よく抽出するかということが、今後の課題である。本研究は、超高真空・極低温というノイズの少ない環境下でNV中心による物性計測の基礎を確立し、応用へフィードバックするという意義がある。
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