本研究では求核的な金属中心と求電子的な配位子との協同作用を生かした新規素反応過程ならびに触媒反応の開発を目指し、検討を行った。今回、かルベン炭素が求電子部位として作用することを期待し、ピンサー型アルコキシカルベン配位子を有するイリジウム錯体を新たに合成、その反応性を探索し、2,6-ビス(ヒドロキシピリジン)から生じるアルコキシドがカルベン中心に付加することを見出した。また、さらに高い求電子性を期待してピロール骨格を有するピンサー型カルベン配位子を有するロジウム錯体を新たに合成しその反応性を調べたところ、光照射下でジメトキシエタンのC-O結合活性化を進行させることを見出した。
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