近年,弱い機械刺激に応答して構造変化や相転移を起こす物質群の研究が展開されており,力学的刺激による発光変化(メカノクロミック発光)を示す金属錯体が多く報告されている.しかしながら,従来のすりつぶしによる機械刺激においては局所的な熱や力が発生するため,現象を支配する要因の決定は難しく,メカノクロミック現象の力学的理解は限られていた.本研究においてレーザー誘起衝撃波を力学的刺激として用いた結果,既報の物質群において摩擦熱に起因する群と摩擦力に起因する群があることを明らかにした.また,作用する力学的刺激を定量評価する実験系を提案できたことから,メカノクロミック現象の理解と発展に貢献しうる成果である.
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