研究課題
若手研究
本研究では、伸縮異方性を示す三重らせん型ポリ[n]カテナンの合成を志向し、そのビルディングブロックとなりうる三脚型金属錯体の合成に取り組んだ。その結果、以下の2つの成果を達成した。(1)三脚型トリス(ピリジルピラゾール)錯体のプロトン脱離に伴う二量化。(2)柔軟なピボット部位を有する三脚型トリス(ビピリジル)錯体の溶媒依存的fac/mer異性化と多量化。
超分子化学
ビシクロ型のケージ状構造が三重にインターロックしながら無限に連なった構造体(ポリ[n]カテナン)の合成はチャレンジングな課題である。本研究はこの三重らせん型三脚型ポリ[n]カテナンのビルディングブロックとなりうる三脚型金属錯体を合成し、それらの特異な異性化・多量化挙動をみいだした。これらの挙動はインターロック構造の形成に有用と考えられるなだけでなく、その挙動自身が前例の少ない、学術的に意義深いものである。