スラリー塗工による電極層形成は、固体高分子形燃料電池やリチウムイオン電池で共通の技術である。高分子やカーボンブラック粒子等の固体成分を含むスラリー液を塗工・乾燥し、粒子同士がバインダー高分子により結着された多孔質な電極層が形成される。スラリー液と電極層の相関が明らかになれば、電極開発や材料設計等に有用である。可視光を透過できないカーボンブラック等を含む材料では計測方法に制限があるが、本研究で利用したX線散乱法は黒色であっても計測が可能である。今後、表面状態や多孔性の評価が可能になれば材料設計指針を得るために有用な手法となると期待できる。
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