研究課題
若手研究
本研究では、二次電池の全部材を高分子で構成した「オールプラスチック電池」の創出を目的に、実現に必要な理論や手法を究明した。データサイエンスの考え方に基づき、固体状態で電気を貯蔵・輸送可能な高分子を設計した後、実際にそれらを有機反応によって合成した。新しく得られた材料を用いながら、オールプラスチック電池をプロトタイプとして試作した。電卓などの電子デバイスの駆動も可能であり、将来的にはフレキシブルデバイスなどへの搭載も見込めることが分かった。
材料科学
固体という、分子の熱運動性が著しく制限された条件下で、自在に電荷(電子とイオン)を移動・貯蔵可能な有機材料をすることは従来困難であったが、それを可能にする分子設計への道筋を本研究で見いだすことができた。一連の学術知見や技術を更に発展させることで、例えばラップフィルムのように薄くて柔らかい、そして透明な二次電池を作製できる可能性がある。このような次世代電池は、フレキシブル・ウェアラブルな電子機器など、様々な新規デバイスの電源用途で利用できる可能性がある。