高エネルギー密度かつ低コストの蓄電池の開発が求められている。本研究では、高容量アニオンレドックス特有の大きな構造変化に伴う緩慢な速度論をアモルファス化により改善することに成功した。アモルファス型Na3FeS3は単味電極にも関わらず、ほぼ完全なアニオンレドックスの2電子反応を可逆的に実現した。また、結晶性の二相共存反応に伴う急激な構造変化が、固溶反応による緩やかな変化になっていることがわかった。加えて、結晶型では見られないランダムな伝導経路により高拡散性を有することがわかった。以上から、高速なアニオンレドックスの実現のために、アモルファス化が有効な1つの手段であることが示唆された。
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