研究課題
若手研究
本研究では、柔らかい、1sのみの電子配置といったユニークなアニオンであるヒドリドを含む酸化物(酸水素化物)において、その誘電特性を中心とした構造物性の開拓に取り組んだ。ペロブスカイト型構造をとるAScO2H (A = Sr, Ba) を対象として、焼結体ペレットを用いた交流インピーダンス測定を実施したところ、100-300Kにおいて~50程度の比誘電率を観測した。また、上記組成をベースとした物質探索を実施した結果、層状構造を持つ酸水素化物の合成にも成功した。
無機固体化学
水素の負イオンであるヒドリドを含む酸化物(酸水素化物)において、その誘電特性を中心とした構造物性の開拓に取り組んだ。ペロブスカイト型構造をとるAScO2H (A = Sr, Ba) の誘電率の測定に成功し、これはヒドリドを含む化合物では初である。本成果を出発点とし、今後のさらなる物質探索によって、チタン酸バリウムなどの既存の酸化物材料を凌駕する新物質の発見に繋げたい。