本提案課題では、栽培の現場における技術化の可能性を目指し、北海道の火山灰土壌を用いて、(1)プライミング効果による難分解性有機物からの養分放出の検証、および(2)プライミング効果を駆動する微生物群集および最適環境条件(易分解性有機物量)の検証を目的とした。13C標識有機物を用いた室内培養試験により、プライミング効果の発現と易分解性有機物量の関係を解明した。また、易分解性有機物の添加によって土壌微生物が増殖し、プライミング効果を通じて、微生物による腐植からの窒素の獲得が促進されることが示唆された。プライミング効果の発現を担う微生物群は、表層土と下層の埋没腐植土とで異なる可能性が示唆された。
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