研究課題
若手研究
芳香族ジカルボン酸に対する可逆的脱炭酸活性を示す微生物を土壌より探索したところ、4-ヒドロキシイソフタル酸およびフランジカルボン酸に対して活性を示す菌株をそれぞれ取得し、それらの菌株より当該活性を示す酵素を同定した。さらには組換え型タンパク質を調製し、その酵素学的諸性質の検討を行うとともに当該酵素を用いた炭酸固定による芳香族ジカルボン酸の合成に成功した。
応用微生物学
近年炭酸固定により有用な芳香族カルボン酸を合成しうる酵素として可逆的脱炭酸酵素が注目されている。一方、これまでに発見・解析されている可逆的脱炭酸酵素は主にカルボキシ基を1つ有する芳香族モノカルボン酸を基質とし、カルボキシ基を2つ有する芳香族ジカルボン酸を基質とする酵素の報告例は少ない。本研究では芳香族ジカルボン酸に対する可逆的脱炭酸酵素を取得するとともに、当該酵素を利用した有用物質生産の可能性を提示した。