近年、続々と出現する耐性菌は抗菌薬に耐性をもち、さらに類似の構造や作用機構の抗菌薬に対しても耐性を持つ。その一方で、既存の抗菌薬の作用機構は大きくわけて4種のみで遠くない未来、あらゆる抗菌薬の効かない耐性菌の出現が危ぶまれている。こういった背景から、新規の作用機構を持つ抗菌薬の開発が強く求められている。 本研究の結果、候補化合物の中から細胞内外で標的であるタンパク質Xのユビキチンリガーゼ活性を阻害する化合物を見出した。病原性細菌が分泌するタンパク質を標的にした薬剤はこれまでに存在せず、今後、見出した化合物についてさらなる評価・最適化を行うことで、新規抗菌薬となることが期待される。
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