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2020 年度 実績報告書

オーキシン代謝不活性化経路の同定を目的としたケミカルバイオロジー研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K15761
研究機関岡山理科大学

研究代表者

福井 康祐  岡山理科大学, 理学部, 講師 (80761147)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワードオーキシン / 代謝阻害 / GH3
研究実績の概要

2020年度は、大腸菌を用いて合成した組み換えGH3タンパク質を用いて、開発したGH3阻害剤の速度論的解析を行なった。その結果、GH3阻害剤は基質であるIAAと拮抗的にGH3タンパク質に結合し、阻害定数Kiは最低で0.3 nMであり、GH3酵素の種類にもよるが数nMから数十nMであった。したがって、GH3酵素に対するIAAのKmが数μMから数十μMであったことから、GH3阻害剤はIAAよりも非常に低い濃度でGH3酵素に結合し、阻害することが明らかとなった。
2019年度の実験結果から、オーキシンの代謝酵素GH3の阻害剤を植物に処理すると、比較的短時間で内生のオーキシンが蓄積することが示唆されたため、2020年度はさらに詳細に調べることとした。GH3阻害剤を処理して10分、30分、60分、180分で植物をサンプリングし、オーキシン応答性遺伝子の発現量を比較したところ、30分からオーキシン処理と同等の遺伝子発現上昇が観察された。さらに、GH3阻害剤処理後10分、30分、60分で植物をサンプリングし、根のオーキシン内生量を定量したところ、処理後たった10分で未処理と比較して2倍に蓄積することが明らかとなった。このことは、GH3が定常的なオーキシンの代謝を担っていることを強く示唆する結果であり、これまでのDAO酵素を中心とするオーキシン代謝経路図を書き換えられる結果であった。
2020年度後半は、論文を執筆のためにマテリアルデータや各種試験の不足するデータの取り直しを行なっていたため、論文自体の執筆は研究期間内に終えることができなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Ligand?receptor interactions in plant hormone signaling2021

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi Jun、Fukui Kosuke、Seto Yoshiya、Takaoka Yousuke、Okamoto Masanori
    • 雑誌名

      The Plant Journal

      巻: 105 ページ: 290~306

    • DOI

      10.1111/tpj.15115

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞内IAA濃度の恒常性はGH3アミノ酸複合体酵素によって調節される2021

    • 著者名/発表者名
      新井一司、青井勇輝、笠原博幸、福井康祐、林謙一郎
    • 学会等名
      日本農芸化学会中四国支部第58回講演会(例会)
  • [学会発表] GH3アミノ酸複合体合成酵素は細胞内IAA濃度の恒常性を調節する2020

    • 著者名/発表者名
      新井一司、赤嶺孝太、青井勇輝、笠原博幸、福井康祐、林謙一郎
    • 学会等名
      植物化学調節学会第55回大会

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公開日: 2022-12-28  

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