研究課題
若手研究
本研究では、出芽酵母において、糖タンパク質や細胞壁を構築する構造性糖質(非貯蔵性糖質)が細胞内で分解され代謝される分子機構およびその生理的意義の解明を目的として行った。そして、サイクリンの一つとして知られるClb4が糖質飢餓ストレスの応答に関与することおよびその分子経路を明らかにした [FEBS Lett (2019)]。また、出芽酵母の新規ヘキソキナーゼ酵素Emi2を同定し、グルコース飢餓ストレス条件において高発現することを明らかにした [J Appl Glycosci (2020)]。
応用分子細胞生物学
糖質は細胞の構築成分であるとともにエネルギー源として不可欠であるため、その代謝分解の分子メカニズムを細胞レベルで解明していくことはライフサイエンスの分野における重要課題の一つであり、本研究成果により当該分子メカニズムの一端が明らかとなった。また、本研究により得られた知見は、人類の食生活に不可欠の産業酵母である出芽酵母の代謝発酵のメカニズムの解明にも結びつくものであるため、学術的にも社会的にも意義があると考えている。