本研究では、冬季の里山生態系の頂点に位置する高次捕食者である猛禽類ノスリをGPSロガーによって追跡することで、行動圏や利用環境を明らかにし、生物相調査を通じて、利用環境内の生物多様性を示した。さらに、生息適地を推定するモデルを構築し、過去の土地利用や将来の土地利用予測に外挿することにより、過去から将来にかけてノスリの生息適地がどのように変遷するかを明らかにした。ノスリは幅広い食性を持ち、多くの生物種との直接的・間接的な相互作用があることから、高い生物多様性を内包する環境の指標となりうる種であり、生息適地の増減を推定したことにより、生物多様性の高い地域がどのように変遷しうるかを明らかにした。
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