マダイやクロマグロ,カンパチなどの肉食魚類の養殖では,魚粉を大量に配合した飼料が使用されている.世界的に養殖産業が拡大しているなか,魚粉原料の資源量が減少傾向にあることや残餌による海洋環境汚染などの問題を考慮すると,このような魚粉に依存した養殖を継続することは非現実的である.本研究の成果は,肉食魚類の骨格筋において特定のシグナル伝達によって筋線維タンパク質の分解が抑制されることを示している.今後,シグナル伝達の詳細について解明することによって,魚類の筋肉タンパク質の蓄積効率を向上させる飼料や給餌スケジュールの設計が可能になると期待される.
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