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2019 年度 実施状況報告書

作物3D形態ベンチマークデータセットの構築による植物フェノタイピング研究の加速

研究課題

研究課題/領域番号 19K15946
研究機関九州大学

研究代表者

野下 浩司  九州大学, 理学研究院, 助教 (10758494)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード植物フェノタイピング / 3次元計測 / 形態測定学 / 画像解析
研究実績の概要

本年度は,植物体地上部の3次元形態データセット作成に向けて,3次元形態データの収集,アノテーションデータの作成,画像解析パイプラインの構築,複雑な表現型を表現するための数理モデルの提案,を実施した.得られた結果から,今後の対象種の拡充,破壊調査の実施,の調整ができた.
具体的には,植物フェノタイピングのためのベンチマークデータセット作成に向けて,アノテーションデータの作成,深層学習を利用した画像解析の適用,3次元形態データの収集を実施した.アノテーションデータとして,特にダイズを対象に,各小葉等をインスタンスとしてラベリングをおこなった.また,Mask R-CNNによるインスタンスセグメンテーションの結果,小葉の領域分割に目処がついた.また,植物体地上部の3次元形態データをSfMで取得した際の葉のサイズ,角度,形状データ及びそれらの時空間的な分布の解析方法の開発をおこなった.得られた時系列3次元形態データから抽出された葉のサイズ,角度,形状データ及びそれらの時空間的な分布を統合的に扱うためのモデル化方法を提案することができた.
今後は,ダイズ以外の植物種でのデータの取得,破壊調査の実施,を中心に進めていく.年度の後半では,現在開発を概ね終えている3次元点群データに基づく植物フェノタイピングパイプラインの精度検証を,取得したデータ及び作成したデータセットにより行い,ユースケースの提案と追加すべきデータやドキュメントの検討をおこなう.最終的には,3次元形態データとアノテーションデータをセットにしたデータセットとしての公開をおこなう予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

植物フェノタイピングのためのベンチマークデータセット作成に向けて,アノテーションデータの作成,深層学習を利用した画像解析の適用,3次元形態データの収集を実施した.アノテーションデータとして,特にダイズを対象に200枚以上の画像に対して,各小葉等をインスタンスとしてラベリングをおこなった.また,Mask R-CNNによるインスタンスセグメンテーションの結果,小葉の領域分割に目処がついた.
また,植物体地上部の3次元形態データをSfMで取得した際の葉のサイズ,角度,形状データ及びそれらの時空間的な分布の解析方法の開発をおこなった.得られた時系列3次元形態データから抽出された葉のサイズ,角度,形状データ及びそれらの時空間的な分布を統合的に扱うためのモデル化方法を提案することができた.
これらはおよそ予定通りの進行であり,概ね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

今後は,ダイズ以外の植物種でのデータの取得,破壊調査の実施,を中心に進めていく.年度の後半では,現在開発を概ね終えている3次元点群データに基づく植物フェノタイピングパイプラインの精度検証を,取得したデータ及び作成したデータセットにより行い,ユースケースの提案と追加すべきデータやドキュメントの検討をおこなう.最終的には,3次元形態データとアノテーションデータをセットにしたデータセットとしての公開をおこなう.ただし,対象とする種やデータ数に関してはデータの質やホスティングサーバ等の状況に応じて調整する.

次年度使用額が生じた理由

事務手続きにおける共同利用施設の3月利用分の引き落とし時期の齟齬のため.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] University of Georgia(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of Georgia
  • [雑誌論文] 深層学習の利活用による植物表現型解析技術の展望2019

    • 著者名/発表者名
      大倉 史生, 野下 浩司, 木下 俊則, 戸田 陽介.
    • 雑誌名

      植物科学の最前線

      巻: 10 ページ: 99-107

    • DOI

      10.24480/bsj-review.10b7.00160

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Quantitative Representation of Plant Style as Spacial Pattern of Foliage for Morphometrics on ill-defined Homology2020

    • 著者名/発表者名
      Noshita, K.
    • 学会等名
      Phenome2020
    • 国際学会
  • [学会発表] 葉群の空間パターンとしての草姿・草型の定量的表現:相同性が自明でない場合の形態測定学に向けて2020

    • 著者名/発表者名
      野下 浩司
    • 学会等名
      第16回 生物数学の理論とその応用 ~生命現象の定量的理解に向けて~
  • [学会発表] A unified framework for image-based plant phenotyping under controlled growth environment: From image acquisition to phenotype interpretation.2019

    • 著者名/発表者名
      Toda, Y., Noshita, K., Fujita, M., Nakamichi, N., Okura, F., Kinoshita, T., Shinozaki, K.
    • 学会等名
      IPPS2019
    • 国際学会
  • [学会発表] 植物形態の計測とモデル化2019

    • 著者名/発表者名
      野下 浩司
    • 学会等名
      2019年度日本数理生物学会年会
  • [学会発表] 植物フェノタイピング向け仮想データセットの生成と解析2019

    • 著者名/発表者名
      野下 浩司
    • 学会等名
      定量生物学の会 北海道キャラバン 2019

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公開日: 2021-01-27  

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