本年度は,植物体地上部の3次元形態データセット作成に向けて,3次元形態データの収集,アノテーションデータの作成,複雑な表現型を表現するための数理モデルの改良,を引き続き実施した.得られた結果から,3次元形態データのデータセット構築,機械学習用ラベルデータの作成,従来取得が難しかった形態情報の推定ができた. 具体的には,植物フェノタイピングのためのベンチマークデータセット作成に向けて,アノテーションデータの作成,深層学習を利用した画像解析の適用,3次元形態データの収集の実施に加え,多視点画像を利用した輪郭情報抽出について可能性を検討した.アノテーションデータとして,特にダイズを対象に,各個体あるいは各小葉等をインスタンスとしてラベリングをおこない,Mask R-CNNによるインスタンスセグメンテーションの学習データとして活用した.同時にSfM及びMVSによる3次元再構築をおこない,点群データの収集も進めた.これらの点群データは開発済みのパイプラインを用いて,形態情報の抽出をおこないデータとして蓄積した.ここでは基本的な面積や角度,位置などの情報の取得をおこなっている.さらに多視点画像を活用し,3次元空間中の葉の輪郭情報を精度良く抽出するためのパイプライン開発も進めた.こちらの結果についてはシミュレーションデータによる検証を進めている. 現在,蓄積したデータをデータセットとして整理を進めており,終了次第,公開する.
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