研究者らは、遅筋または速筋由来の筋幹細胞(衛星細胞)が融合して新生筋線維(筋管)を形成する過程で、それぞれ多機能性細胞制御因子semaphorin 3Aまたはnetrin-1を合成して自律的に筋タイプを決定する分子メカニズムの解明を目指している。本研究では、衛星細胞が局在する筋タイプに応じて特性が保持されている可能性と、衛星細胞を取り巻く細胞外環境から受ける物理的刺激による特性獲得の2パターンからアプローチした。その結果、物理刺激(細胞接着面の弾性率)の影響による特性獲得の可能性は低く、衛星細胞が局在していた筋線維の筋タイプに応じて特性を保持するメカニズムの存在が示唆された。
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