糞便細菌叢移植(Fecal Microbiota Transplantation:FMT)は腸内細菌叢を改善させる新規の治療法として注目されている手技である。獣医学領域でもFMTは少数の症例で実施され始めてはいるものの、その実施プロトコールについての検討は全く行われていない。そこで本研究では、犬におけるFMTの実施プロトコール確立のための第一歩として、移植経路(経口投与または大腸内注入)によるドナー便との腸内細菌叢の類似度への影響について比較検討を行った。その結果、経口投与では移植1週間後に類似度が上昇し、大腸内注入では移植1週間後に類似度が低下する傾向にあることが明らかとなった。
|