牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)は、地方病性牛伝染性リンパ腫(EBL)の原因ウイルスであり、感染牛においてBリンパ球の1種であるB-1a細胞を選択的に腫瘍化する。本研究はBLV感染によるB-1a細胞選択的腫瘍化機序の解明を目的とした。BLV感染牛ではEBL非発症の段階で体腔内脂肪組織(大網、腸間膜、心冠部)に存在するリンパ球の集積Fat-associated lymphoid cluster(FALC)が腫大し、同部位でB-1a細胞が選択的に増殖していた。さらに同部位でBLV RNAの発現が確認され、BLV感染によるFALCに限定したB-1a細胞選択的増殖の存在が明らかになった。
|