近年、先進諸国にて高血圧症の基準値や降圧目標値が改定され、より厳格な血圧管理が求められるようになってきた。これまで高血圧症の病態研究では、心臓・血管系の直接的な関わりに加え、腎臓と中枢神経の血圧調節機能に重点が置かれてきた。本研究は、これまであまり検討されていなかったリンパ管に着目し、高血圧症との関連を明らかにすることを目的とした。主な本研究成果は、以下の通りである;高血圧を呈する高血圧ラットSHRにおいて、集合リンパ管内皮機能の障害が認められた。この障害機序はNADPHオキシダーゼによる活性酸素種の産生と示唆された。本研究により高血圧病態においてリンパ管が障害されるという新規知見が得られた。
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