心臓神経堤細胞は耳胞から第3体節に位置する神経堤領域から生じ、心臓流出路などの心臓形成に貢献する。心臓神経堤細胞は他の神経堤細胞とは異なる特有の分化運命決定機構をもつと考えられているが、その機構は未だ不明である。 転写因子MafBは心臓神経堤細胞特異的に発現し、心臓神経堤細胞の形成に必須な役割を持つ。本研究ではMafB遺伝子の発現調節領域を、ニワトリゲノムにおいて同定・単離した。その制御領域を用いたレポーター遺伝子を作成し、ニワトリ胚内で神経堤細胞の中でも心臓神経堤細胞だけを標識することに成功した。これにより、心臓神経堤細胞の形成初期から移動までの過程を追跡し、その動態を明らかにする結果を得た。
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