研究課題
若手研究
核内膜蛋白質のMAN1は、TGF-βファミリーのシグナル経路下流で作用する転写因子のR-Smadsと結合し、シグナル伝達を抑制する。本解析によって、MAN1蛋白質のリン酸化修飾と、アクチビンによるMAN1の細胞内局在変化が示された。加えて、アクチビン処理によってMAN1が転写レベルでも抑制されることが示された。以上の解析により、MAN1自身がTGF-β/アクチビンによって多様な制御を受けることが示唆され、TGF-βシグナル制御機構を理解する上での新たな手がかりが得られた。
発生生物学
本研究成果は、TGF-βシグナル伝達を負に制御するMAN1自身が、TGF-β/アクチビンによって制御を受けることを示しており、多様なTGF-βシグナル伝達様式の一端の解明に繋がると考えられ、学術的意義が高い。また、TGF-β/アクチビンによる核膜蛋白質の輸送制御や核のリモデリングが予想され、核膜の性質変化がもたらす細胞外シグナル応答や組織分化への影響について、次の展開が期待される。