研究課題/領域番号 |
19K16195
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
豊田 峻輔 大阪大学, 医学系研究科, 招へい研究員 (10727415)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | エピジェネティクス / 脳 / 双子 |
研究実績の概要 |
近年、神経細胞の多様性や可塑性、精神疾患におけるエピジェネティック修飾の重要性が示唆されているが、その分子機構についてはあまり理解が進んでいない。そこで本研究では、日本国内で最大の医学系双子レジストリである大阪大学ツインリサーチセンターの協力のもと、遺伝情報が同一な一卵性双生児ペアのエピゲノム情報に着目することで、エピジェネティックの多様性について調べ、関連する生理機能や疫学情報との関連性を明らかにすることを目的にしている。さらに、オープンデータベースを参照することで、既知の情報との比較を行う。2019年度は縦断的な双生児研究を行っているヘルシンキ大学フィンランド双生児研究グループに留学し、国際的な双生児研究ネットワークの推進を試みた。また、ヘルシンキにて開催された北欧神経科学学会、ストックホルムにて開催された国際行動遺伝学会、および日本-フィンランド国交樹立100周年としてヘルシンキ大学にて開催された両国間の双生児研究グループによる記念交流イベントなどに参加することで、国際的な双生児研究や大規模遺伝学研究の動向についての研究発表や情報交換を行った。当初予想していた以上に世界的なビッグデータ化が進んでおり、オープンアクセスのデータベースの構築も主に欧米を中心として行われている。その一方で新型ウイルスの世界的な流行によって、日常生活における公衆衛生やメンタルヘルスの重要性が認識され、ヒトの個性における遺伝要因や環境要因に関する研究の意義を再認識する機会も多かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、大阪大学のゲノムデータには外部環境からアクセスできないため、ツインリサーチセンターの共同研究者によるサポートの下でデータ処理を進めている。新型ウイルスの影響で移動や雇用状況の不透明さが増しているため、状況の変化と自分の環境を見直して最適な計画を見直す必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
在外研究によって多様な国際経験や研究以外での体験を得られた一方で、研究計画通りの遂行における困難が多々あった。しかしながら、今後はこれらの経験と状況を判断しながら研究を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
フィンランドにおける在外研究が決まり情報収集を行ったことで計画を再度見直す必要性が生じたため、次年度に繰り越した。
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