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2023 年度 研究成果報告書

生態系における雌雄差の重要性 - 寄主の雌雄差がもたらす波及効果を解き明かす

研究課題

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研究課題/領域番号 19K16229
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分45040:生態学および環境学関連
研究機関神戸大学 (2022-2023)
京都大学 (2019-2020)

研究代表者

辻 かおる  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (40645280)

研究期間 (年度) 2021-11-01 – 2024-03-31
キーワード雌雄差 / 花 / 微生物 / 送粉 / 結実 / 種子散布
研究成果の概要

ヒサカキの雌雄の花蜜から検出される微生物を用いて、花蜜内微生物が花ー昆虫相互作用などを変化させて、ヒサカキの繁殖成功に影響を与えていることを示した。より詳細には、酵母の一種が蜜に棲む場合より、細菌の一種が蜜に棲む場合のほうがより結実し、果実中の種子数が増え、果実も大きく早く熟することが分かった。より大きく早く熟した果実は種子散布を行う小鳥に好んで食べられることも示された。これら結果は、花の雌雄差の影響を受けて棲んでいる花蜜内微生物は、送粉共生系や種子散布共生系に波及的に影響を及ぼし、ひいては雌雄差のあるヒサカキの繁殖成功にまで影響を及ぼしていることが明らかとなった。

自由記述の分野

生態学

研究成果の学術的意義や社会的意義

性別における違い(雌雄差)は動植物に広くみられ、同種の中での相互作用でどのように雌雄差が進化したのかが調べられてきた (進化的視点)。しかし、生物は多様な種の生物と相互に影響を与えあうため、他の種との関係を知ることなく、雌雄差の進化は理解できないはずである。これまでヒサカキ属植物を用いて、「雌雄差が他の生物に与える効果」という視点(生態的視点)から研究を進め、雌雄差は、他の種の生活史や群集に大きな影響を与えることを示してきた。今回新たに、花蜜に棲む微生物が、種子散布共生系にまで影響することを示すなど、雌雄差が他種に与える影響は、間接的に複数の生物間相互作用に波及することを示すことができた。

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公開日: 2025-01-30  

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