本研究の対象部位である線条体および脚内核は、大脳基底核と呼ばれる脳領域の一部である。基底核は、その他にも複数の神経核(特定の性質をもつ神経細胞が集まった領域)から構成され、それぞれが複雑な神経連絡を有している。大脳基底核の障害は、パーキンソン病やジストニアといった神経変性疾患を引き起こすが、これらが難治性である理由として、基底核を構成する個々の神経核とそれらの結合関係が不明瞭な点が挙げられる。本研究で見出した所見は、基底核の複雑な形態および機能の理解を促し、基底核疾患の病態解明に繋がることが期待される。
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