本研究は、中性脂質の分解促進活性とオートファジー促進活性という生物活性、および軸異性体の混合によりその作用が増強するという例を見ない活性発現様式をもつダイナピノンA (DPA) の標的分子を明らかとし、その作用機序を解明することを目的とした。その結果、DPAが有する構造に特異的に結合するタンパク質を複数同定することに成功した。現在も、得られた候補分子の生物活性との関連性の検証は進行中であるが、本研究の達成により、新たな細胞内脂質代謝経路の発見や反応メカニズムの提唱など学樹的な意義のみならず、新たな創薬ターゲットの提案などにつながることが期待される。
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