インフルエンザは周期的な流行が発生する疾患の一種であり、流行過程に基づいたSIRモデルが提案されている。本研究では、インフルエンザの流行に影響する気象に関する因子を評価すること、SIRモデルを用いて流行予測のモデルを作成することを目的とした。定点当たり報告数と平均気温度には負の相関関係があることが示された。母集団解析を行い、モデル構築を検討したが、収束性が十分ではなかった。様々なモデルを検討することで、一部の条件下では予測性の高いモデル構築ができたが、当初の想定よりもデータ量が少ないこともあり、妥当性の高いモデル構築は十分ではなかった。今後データを集積し、臨床に還元しうる情報の発信に努める。
|