研究課題/領域番号 |
19K16454
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 (2022) 東京理科大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
牧野 宏章 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (40784369)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 光化学 / ラセミ化 / キラルスルホキシド / 光増感剤 |
研究成果の概要 |
スルホキシドのラセミ化現象の解明と応用を目的として以下の成果を上げた。(1) 光増感剤を用いたキラルスルホキシドの高速ラセミ化反応の検討を行い、1 mol% の光増感剤共存下、425 nmの光照射により15秒以内にラセミ化する (t1/2 = 2.1 s, 3.19 x 103 M-1.S-1) ことを見出した。(2)高速ラセミ化反応を応用し、固相化した光増感剤とHPLCリサイクルシステムを用いた実用性の高い動的不斉誘起法を開発した。本法は、全く不斉源を用いず、光とキラルカラムを用いるリサイクルHPLCを用いるだけで、ラセミ体のスルホキシドから所望のエナンチオマー体を高収率、高光学純度で得る。
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自由記述の分野 |
有機合成化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キラルスルホキシドの立体化学の安定性は高く、150kJ/mol 以上の活性化エネルギーが必要であるため、光学活性なスルホキシドは一般的にラセミ化しないと考えられている。一方で、光照射によりラセミ化する事は知られているものの強力な紫外光源が必要とされ、本成果である可視光照射により高速でラセミ化する事は知られておらず、学術的な意義は高い。また、光とキラルカラムをリサイクルHPLC流路内で行う動的不斉誘起法は不斉源を用いず、所望のキラルスルホキシドを得られるため、医薬品など供給に使用できる可能があるため社会的意義は高い。
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