mTORシグナルを阻害する薬剤であるEverolimus、Temsirolimusは、腫瘍細胞において時計遺伝子の発現を変化させた。がん性疼痛の発現に影響を及ぼす因子に対しては、Temsirolimusのみが抑制作用を示していた。通常の腫瘍細胞内では疼痛因子Trpv1が周期的な発現変動を示す一方で、Temsirolimusによってその周期性が抑制されていることが明らかとなった。mTORとTrpv1の発現変動に着目した疼痛制御の有用性が示唆されたものの、両薬剤の反応性の違いについては詳細な検討が必要である。
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