研究課題
若手研究
本研究は、回転拡散を利用した螢光相関分光法により、細胞骨格蛋白分子の重合を観察する事を目的とする。回転拡散は、並進拡散に比べて分子量の変化に敏感なので、それを利用した螢光相関分光法は、対象分子の変化を鋭敏に、しかも溶液の中で観察出来る。本研究費で高速の光子検出器を購入して、測定光学系を更新することが出来た。実験中の課題から、有限時間測定での回転拡散の推定のバイアスの補正法を作り、又、測定試料の状態変化によって生じる回転拡散の変化を検出するための種々の条件を求め、現在論文発表の準備を進めている。
細胞生物学
螢光偏光を利用して回転拡散を計測する螢光相関分光法は、従来の並進拡散のみを使った方法よりも、分子量の変化を鋭敏に、しかも溶液の中で直接に計測する事が出来る利点がある。しかし、測定の複雑さや時間の長さのため、あまり広く使われていなかった。本研究の成果は、短かい測定時間の際のバイアスや精度を補正する方法を提示することで、測定をしやすくする意義を持つ。これは、この測定法を検査などに応用する基盤になりうるものである。