近年、がん細胞は多くの情報伝達物質を内包した小胞エクソソームを分泌し、周囲の細胞とコミュニケーションを行なっていることが明らかとなった。これまで我々は大腸がん細胞が分泌するエクソソームの内包分子およびその機能について、研究をおこなってきた。その過程において、エクソソームはランダムに分泌されているのではなく、宛先が指定された状態で分泌されている可能性が示唆されたため、その分子メカニズムの解明を試みた。エクソソームに内包されるタンパク154種類を同定し、各タンパクについて既報論文やデータバンクを解析して、宛先決定タンパク候補の絞り込みを行った。各タンパクの機能について現在解析を続けている。
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