研究成果の概要 |
DNA二重鎖切断(DSB)やDNA損傷応答(DDR)の破綻が、潰瘍性大腸炎の炎症性発癌のリスクを予測するのバイオマーカーとなりうるかについて検討し、本研究にて炎症性発癌を伴う症例では伴わない症例よりもDSBが高頻度で発生していること、潰瘍性大腸炎の非腫瘍性粘膜では他の炎症性腸疾患と比較してDDRの破綻が高度にみられること、DDRの破綻は、罹患年数が長くなるにつれて高度となることを見出した。また、直腸では部位によるDDR破綻の程度にばらつきは少なく、直腸生検標本でのDDRの検討がバイオマーカーとして再現性のあるものであることを確認した。今後は、直腸生検標本のDSB, DDRを検討する予定である。
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