本研究では、ケラチノサイトにおいてΔNp63 が制御するアトピー性皮膚炎関連分子に対するいわゆる2型炎症環境の影響について検討することを目的とした。皮膚組織では、ΔNp63とバリア関連タンパク質との間に逆転した発現パターンが観察され、ΔNp63 はこれらの発現を制御していた。さらに、いくつかの炎症性サイトカインもまたΔNp63によって調節された。IL-13 はケラチノサイトの分化過程における ΔNp63 の発現低下を阻害していた。我々は、IL-13-ΔNp63軸が、アトピー性皮膚炎発症の2つの主要な因子である表皮バリアの異常とケラチノサイトのサイトカイン産生増加状態を統合しうると考えている。
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