研究課題
若手研究
膵癌の前駆病変である膵管内乳頭粘液性腫瘍(以下、IPMN)を対象とした分子病理学的解析により、IPMNの各上皮亜型(胃型、腸型、膵胆道型、好酸性細胞型)の発生進展や悪性化に関与する分子異常の特徴を明らかとした。膵管内腫瘍であるIPMNのKRAS、GNAS、がん抑制遺伝子異常の組み合わせによる分子フェノタイプにより、浸潤癌発生リスクやIPMN患者の予後は層別化されることが明らかとなった。
人体病理学
IPMNや膵癌、またその背景膵に発生する膵管内腫瘍性病変のKRAS やGNAS変異バリエーションの多彩性や蓄積度、癌抑制遺伝子異常の蓄積度の評価による、癌化へと進展しやすいIPMNや膵臓全体の分子プロファイリングは、IPMN患者の追跡観察における新たな悪性化リスク層別化の指標と成り得る。その特徴や悪性化リスクに応じて、サーベイランス方法の調整や、積極的な組織診断の併用を行うことで、膵癌早期発見への寄与が示唆される。