研究課題
若手研究
リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)はクモ膜やオリゴデンドロサイトに多く発現し、PGD2を産生して睡眠を誘発するとともに神経を保護し、アミロイドβと結合してその蓄積を抑制している可能性が考えられる。本研究では、アルツハイマー病モデルマウスを用い、L-PGDS遺伝子の欠損が睡眠や認知行動に与える影響を検討した。L-PGDS遺伝子の欠損がマウス脳内のアミロイドβの蓄積に影響することをin vivoで明らかにした。
生化学
老年人口の増加に伴い認知症患者数が増加しており、予防や治療へ向けた対策が求められている。また、睡眠不足は認知症のリスクを高める一方で、認知症患者の7割以上が睡眠障害を併発していることが知られている。アルツハイマー病患者の脳内では、Amyloid βの沈着物である老人斑が観察される。本研究で、睡眠誘発に関与するL-PGDSが認知症に伴うアミロイドβの集積に影響することがin vivoで示唆された。認知症の制御につながることが期待される。