ジヒドロオロト酸脱水素酵素 (DHODH) は、結核菌の生存において必須の遺伝子である。本研究では、組換えタンパク質の作製に試み、組換えDHODHの発現と精製を行うことで、組換えDHODHの粗精製標品を得ることができた。そして、結核菌DHODHはキノンとジヒドロオロト酸を基質とし、フマル酸とNADHを電子受容体として利用しないことから、結核菌は2型DHODHであることが明らかとなった。さらに、ヒトDHODH阻害剤は結核菌DHODHに全く作用しないことから、反応機構が両種間で異なることが示唆された。したがって、結核菌DHODH阻害剤はヒトへの毒性が少なく、創薬標的分子として有望である。
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