一般に水虫として知られる白癬は皮膚糸状菌というカビによって引き起こされ、国民の10人に1人以上が罹患していると言われるほど一般的な疾患です。皮膚糸状菌の糸状の細胞形態である菌糸は、皮膚糸状菌が病気を起こすために必要であると考えられていますが、その分子機構については未だ不明な点が多いです。本研究では、菌糸成長に関わるRac様タンパク質としてTrRac及びそのホモログTrCDC42を見出し、変異株や大腸菌で作製したタンパク質を用いて、その機能を解析しました。また、活性を定量的に試験管内で評価する系を確立し、抗真菌薬の候補となりうる阻害剤の探索を行う基盤を構築しました。
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