先進国に比べロタウイルス感染に伴い死亡率の高い発展途上国でワクチンの重症化予防効果が乏しいことが指摘されており、その原因究明が重要な課題となっている。腸管内でのワクチン株の複製には、母乳や移行抗体、腸内細菌叢が影響を与えていると考えられている。本研究では、早産児の便中ワクチン株排泄量には個人差はあるが、様々な環境因子が類似している双生児は、1回目接種の排泄量と全経過期間のIgG抗体価について類似性を統計学的に証明した。更に、IgA抗体価の上昇が大きかった児は腸内細菌叢の多様性に富んでいる傾向を明らかにした。
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